総括（予防接種）

ワクチンは子供が接種するものと考えがち。しかし、ウイルス感染症の多くは、一度発症すると有効な治療手段がない場合が多く、最も有効な予防手段がワクチンです。大人でも自分自身の感染リスクを判断しながら、健康管理に積極的にこ利用下さい。

大人が受けたい新ワクチン

大人のワクチンとして最も重要なのは、インフルエンザワクチンです。高齢者、体力が低下している人、糖尿病など感染症に罹りやすい人があらかじめ接種しておけば、発症しても重症化を予防することができます。

こんな大人はリスクが高い。ワクチンの検討を！

A	子供のときに必要なワクチンを接種していない。
B	感染症流行時の予防をしたい。
C	ウイルスが原因で発症する「がん」を予防したい。
D	開発途上国など伝染病の流行地域に滞在する。
E	激しいスポーツ、野外活動を行う。
F	医師、教師など多数の人と触れあう職業についている。
G	セックスのパートナーが複数である。

大人でも接種を検討すべき７種類（A～G）のリスクを示しています。例えば、子供のころに麻疹（はしか）・風疹（ふうしん）のワクチンを打っておらず、かかってもいない人は免疫がない可能性があるので検討の対象です。ワクチンの中には過去の感染のある人では、副反応が強く出る場合もありますが、麻疹（はしか）、風疹（ふうしん）ではその心配が非常に少ないです。

ワクチンの種類と7つのリスクの関連を示したのが下の図です。海外、途上国での感染リスクを軽減するワクチンのほか、けがの可能性がある野外活動をする人のための必要なワクチンなどを示しましたが、最近、注目されるのは、がん予防のワクチン。ヒトパピローマウイルス（HPV）は性行為で感染し、慢性化すると子宮頸がんの原因になるだけでなく口腔、肛門などのがんリスクを高めることが分かってきました。

大人のためのワクチン一覧

麻疹
有効期間	比較的長い
上図リスクへの対応	A
備考	20～40代に抗体のない人がいる。

風疹
有効期間	比較的長い
上図リスクへの対応	A
備考	妊娠する可能性のある女性だけでなく、男性の接種も必要

水痘
有効期間	比較的長い
上図リスクへの対応	A
備考	高齢者では自然免疫がある

おたふく風邪
有効期間	比較的長い
上図リスクへの対応	A
備考	高齢者では自然免疫がある

HPV
有効期間	比較的長い
上図リスクへの対応	C・G
備考	様々なガン予防効果もある。

破傷風
有効期間	必要に応じて再接種
上図リスクへの対応	D・E
備考	発症した時の致死率は高い

A型肝炎
有効期間	必要に応じて再接種
上図リスクへの対応	D
備考	途上国に超期滞在する場合。

B型肝炎
有効期間	必要に応じて再接種
上図リスクへの対応	C・D・E・F・G
備考	医療行為、けがなど血液で感染。

日本脳炎
有効期間	必要に応じて再接種
上図リスクへの対応	D
備考	流行国に長期滞在。国内でも感染例あり。

狂犬病
有効期間	必要に応じて再接種
上図リスクへの対応	D
備考	20～40代に抗体のない人がいる。

インフルエンザ
有効期間	毎年接種
上図リスクへの対応	B
備考	高齢者、基礎疾患のある人は重要

肺炎球菌
有効期間	比較的長い
上図リスクへの対応	B
備考	高齢者、基礎疾患のある人は重要

料金表

予防接種（税込価格）

麻疹（はしか）予防接種	6,600円
風疹（ふうしん）予防接種	6,600円
麻疹（はしか）＋風疹（ふうしん）予防接種【MRワクチン】	11,000円
水痘予防接種	9,240円
流行性耳下腺炎（おたふく）予防接種	7,100円